ハーレーのカスタムの中でも、オープンプライマリーは「見た目」のインパクトとカスタム性の高さから人気がある。しかし、ハーレーのオープンプライマリー費用はどのくらいかかるのか?工賃の相場や必要なパーツについて気になる人も多いだろう。また、ベルトやプーリーが露出することで、巻き込まれ事故のリスクや車検への対応も重要なポイントになる。
この記事では、プライマリーとは何か?という基本から、エボオープンプライマリー キットの特徴、主要ブランドであるBDLとプリモの違い、そしてツインカムやショベルヘッドのカスタムにはどんな種類があるのかまで詳しく解説する。さらに、「ベルト幅はいくつが最適なのか?」「オープンプライマリーのメリットは何か?」など選び方のポイントも紹介する。
オープンプライマリーはスタイル重視のカスタムだが、適切な選択をしないと快適な走行に支障が出ることもある。この記事を参考に、自分のハーレーに合ったカスタムを検討してほしい。
- ハーレーのオープンプライマリーの費用や工賃の相場を理解できる
- BDLやプリモなどの主要ブランドの違いや選び方を知ることができる
- ベルト幅やカスタムスタイルごとの適したオープンプライマリーを学べる
- 車検対応や巻き込み事故のリスクとその対策について理解できる
ハーレーのオープンプライマリー費用の相場とは?
- プライマリーとは何?基本を解説
- オープンプライマリーのメリットは?
- BDLとプリモの違いを比較
- ベルト幅はいくつ?選び方のポイント
- エボオープンプライマリーキットの特徴
プライマリーとは何?基本を解説

プライマリーとは、ハーレーダビッドソンを含む多くのオートバイに搭載されている駆動系の一部です。エンジンの回転をミッションへ伝える役割を持ち、車両がスムーズに走行できるようにします。
本来、エンジンの動力は直接後輪へ伝えることはできません。そのため、一次駆動(プライマリードライブ)が存在し、エンジンとトランスミッションの間で回転を調整する仕組みになっています。ハーレーダビッドソンでは、プライマリーケースに覆われた「クローズドプライマリー」と、カバーを取り外し駆動ベルトが露出した「オープンプライマリー」があります。
オープンプライマリーは、見た目のインパクトが大きく、エンジンの回転が直接視認できる点が特徴です。一方、クローズドプライマリーはカバーにより保護されており、汚れや異物の混入を防ぎながら静粛性を確保する利点があります。
どちらを選ぶかは、見た目の好みやメンテナンスの手間、そして安全性の観点から決めることが大切です。
オープンプライマリーのメリットは?

オープンプライマリーには、見た目のカスタム性やメンテナンスのしやすさなど、いくつかのメリットがあります。ハーレーダビッドソンのカスタムとしても人気があり、機能面だけでなくスタイル面でも魅力的な選択肢です。
まず、外観のインパクトが大きいことが挙げられます。オープンプライマリーにすると、駆動ベルトやプーリーがむき出しになり、エンジンの動力が直接伝わる様子を視認できます。特にチョッパースタイルやオールドスクールなカスタムを好むオーナーにとって、この無骨なデザインは大きな魅力となります。
また、軽量化につながる点も見逃せません。クローズドプライマリーの場合、金属製のカバーやプライマリーオイルが必要ですが、オープンプライマリーではそれらが不要になります。その結果、車両の総重量を軽減し、若干ではありますがレスポンスが向上することが期待できます。
さらに、メンテナンス性が向上するのもメリットの一つです。プライマリーケースがないため、クラッチやドライブベルトの状態を直接目視で確認できます。オイル交換が不要になるため、定期的なプライマリーオイルの交換作業が省略できる点も利便性が高いと言えるでしょう。
しかし、これらのメリットと同時にデメリットもあるため、導入を検討する際は安全面や維持管理の難しさも考慮することが重要です。
BDLとプリモの違いを比較

ハーレーのオープンプライマリーを選ぶ際、「BDL」と「プリモ」のどちらにするか迷う人は多いでしょう。どちらも有名なブランドであり、それぞれに特徴があります。ここでは両者の違いを比較し、自分に合った選択ができるよう解説します。
まず、BDL(ベルトドライブリミテッド)は、オープンプライマリーキットの定番ブランドの一つです。特に、クラッチの軽さや耐久性に優れている点が特徴で、クラッチ操作の負担を軽減したいライダーに向いています。また、パーツの種類が豊富で、さまざまなハーレーのモデルに対応したキットが販売されているため、選択肢の幅が広いことも魅力の一つです。
一方、プリモ(リベラプリモ)は、ハーレーカスタムの世界で長年支持されてきたメーカーであり、高い精度と信頼性が特徴です。特に「ブルート」シリーズは耐久性の高いクラッチシステムを採用しており、強いトルクをしっかりと受け止める設計になっています。クラッチの操作感はやや重めですが、その分滑らかなフィーリングを求める人には適した選択肢です。
大まかに言えば、BDLは軽いクラッチ操作と豊富なバリエーションが魅力で、プリモは精度の高さと耐久性に優れるという違いがあります。どちらを選ぶかは、求める乗り心地や使用目的によって変わるため、実際のフィーリングや愛車との相性を考えて決めることが大切です。
ベルト幅はいくつ?選び方のポイント

オープンプライマリーを選ぶ際に重要な要素の一つがベルト幅です。ベルト幅は車両の特性や走行スタイルに大きく影響を与えるため、自分のバイクに適したサイズを選ぶことが大切です。
一般的に、オープンプライマリーのベルト幅には「1.5インチ」「2インチ」「3インチ」の3種類があり、それぞれに特徴があります。
1.5インチ(スリムタイプ)
1.5インチのベルトは最も細いタイプで、スリムなデザインを好む人やクラシックなスタイルを求める人に向いています。細身のベルトは軽量で、フレーム周りがすっきり見えるため、オールドスクールのチョッパーなどに多く採用されています。ただし、耐久性やトルクの伝達能力はやや劣るため、高出力エンジンには向いていません。
2インチ(バランス型)
2インチのベルトは、見た目と実用性のバランスが取れたサイズです。十分な強度を持ちながらも、あまり主張しすぎないスタイルなので、カフェレーサーやストリートカスタムにも適しています。エンジンのトルクが強い場合でも対応できるため、耐久性とデザインのバランスを重視する人におすすめです。
3インチ(ワイド&パワフル)
3インチのベルトは最も幅広いタイプで、迫力のある見た目と高いトルク伝達能力を備えています。特にビッグツインエンジンを搭載したハーレーでは、3インチのオープンプライマリーが人気です。ただし、ワイドなベルトは足元のクリアランスを狭めるため、取り回しに影響することがあります。また、ベルトの張力が強いため、メンテナンスを怠ると摩耗が早くなる点にも注意が必要です。
ベルト幅を選ぶ際は、見た目の好み、エンジンのパワー、実用性を考慮することが重要です。細いベルトはスタイリッシュですが強度がやや低く、太いベルトは迫力があるものの、取り回しが悪くなることもあります。
また、バイクの用途も考慮するとよいでしょう。街乗りメインなら2インチが無難で、カスタム重視なら1.5インチ、パワー重視なら3インチがおすすめです。オープンプライマリーのカスタムは一度取り付けると変更が難しいため、慎重に選ぶことが大切です。
エボオープンプライマリーキットの特徴

エボリューション(EVO)エンジンを搭載したハーレーダビッドソンに適合するオープンプライマリーキットには、いくつかの特徴があります。カスタム志向のライダーにとって、見た目やメンテナンス性が向上する魅力的なパーツですが、選ぶ際には適合性や機能面も考慮することが大切です。
1. EVOエンジン専用設計
エボリューションエンジン(1984年~1999年のビッグツインモデルに搭載)は、オープンプライマリーカスタムがしやすい設計になっています。そのため、多くのメーカーから専用キットが販売されており、比較的取り付けがしやすい点が特徴です。また、エボエンジンは信頼性が高く、オープンプライマリーとの相性も良いため、カスタム初心者にもおすすめのモデルと言えます。
2. クラッチの軽さと操作性の向上
オープンプライマリーキットには、純正よりも軽いクラッチシステムが採用されることが多く、クラッチ操作がスムーズになります。特に「BDL」や「プリモ」のキットには、操作性を向上させるクラッチパーツが組み込まれており、クラッチレバーの重さを軽減できる設計が特徴です。
3. 駆動効率の向上とパワーロスの軽減
クローズドプライマリーでは、オイルがベルトやチェーンに影響を与えることがありますが、オープンプライマリーではオイル管理が不要になります。その結果、エンジンの動力をロスなく伝達できるというメリットがあります。ただし、メンテナンスを怠るとベルトの摩耗が早まるため、定期的な点検は欠かせません。
4. 幅広いベルトサイズの選択肢
EVO用オープンプライマリーキットには、1.5インチ・2インチ・3インチといったさまざまなベルト幅が用意されています。細いものはスタイリッシュで取り回しが良く、広いものは迫力のある見た目とトルク伝達能力の向上が期待できます。どのサイズを選ぶかは、見た目の好みや走行スタイルによって決めるとよいでしょう。
5. デザイン性とカスタムの自由度が高い
EVOオープンプライマリーキットの最大の魅力は、エンジンの駆動部分を露出させることでカスタムバイクらしいワイルドな雰囲気を演出できる点です。特にチョッパースタイルやクラシックカスタムには欠かせないパーツの一つといえるでしょう。
オープンプライマリーは防塵性能が低く、外部のゴミや雨の影響を受けやすいため、走行環境に応じたメンテナンスが必要です。また、ベルトが露出することで衣類などが巻き込まれるリスクがあるため、安全対策として適切な装備を整えておくことが重要です。
エボエンジンのハーレーをオープンプライマリー化することで、クラシックなスタイルとメカニカルな魅力を手に入れることができます。ただし、機能面や安全面も考慮したうえで、自分に合ったキットを選ぶことが大切です。
ハーレーのオープンプライマリー費用と工賃の目安
- 取り付け工賃の相場と注意点
- ツインカムとショベルヘッドの違い
- ショベルヘッドのカスタムにはどんな種類がある?
- 車検時の対応は?注意すべきポイント
- オープンプライマリーの巻き込まれ対策
取り付け工賃の相場と注意点

オープンプライマリーを取り付ける際の工賃の相場は5万円~10万円程度が一般的です。ただし、これはあくまで目安であり、車両の状態やカスタム内容によって変動します。特に、追加の加工が必要な場合や、特殊なパーツを組み込む場合は10万円以上かかることも珍しくありません。
工賃の相場はどう決まる?
オープンプライマリーの取り付け工賃は、以下の要素によって変動します。
- 車両のモデルや状態
ショベルヘッドやエボリューションなどのエンジンタイプによって、取り付けに必要な加工や調整の手間が異なります。特に旧車の場合、エンジンやミッションの個体差があるため、追加調整が発生しやすい傾向があります。 - ショップごとの料金設定
カスタムショップによって工賃は異なります。オープンプライマリーの取り付け経験が豊富なショップでは技術料が高めに設定されていることが多いですが、その分仕上がりの精度やアフターサポートが充実している場合が多いです。 - 加工の有無
既存のプライマリーケースを外すだけで済む場合は工賃も抑えられますが、エンジンマウントの位置調整や特注パーツの製作が必要な場合、工賃が上がることになります。また、ミッションとのライン調整が必要なケースもあり、その分作業時間が長くなることがあります。
取り付け時の注意点
オープンプライマリーを取り付ける際には、以下の点に注意が必要です。
- 工賃の見積もりは事前に確認する
取り付け工賃はショップによって異なるため、事前に見積もりを取ることが重要です。見積もりを出してもらう際には、「追加工賃が発生する可能性があるか」「部品代は含まれているか」なども細かく確認しておきましょう。 - 信頼できるショップを選ぶ
オープンプライマリーは単なる外装パーツではなく、バイクの駆動系に直結する重要な部分です。経験の少ないショップで作業を依頼すると、適切な調整が行われず、走行時のトラブルにつながる可能性があります。ハーレーのカスタムに精通しているショップを選ぶことが大切です。 - 巻き込み事故対策をする
オープンプライマリーはベルトやプーリーが露出しているため、衣服やブーツの紐が巻き込まれるリスクがあります。走行中の事故を防ぐために、適切な装備を身につけることが重要です。また、一部のオープンプライマリーキットには、巻き込み防止用のガードが付属しているものもあります。 - 定期的な点検が必要
取り付けが完了したら、それで終わりではありません。ベルトの張り具合やプーリーのボルトの緩みなど、定期的な点検を行うことが必要です。特に、振動の大きいハーレーではネジやボルトが緩みやすいため、こまめなメンテナンスを意識しましょう。
オープンプライマリーの取り付け工賃は5万円~10万円が相場ですが、車両の状態やショップによって費用が変動します。依頼する際は、見積もりをしっかり確認し、経験豊富なショップに依頼することが重要です。また、取り付け後のメンテナンスや安全対策を怠らないことが、長く快適に乗るためのポイントになります。
ツインカムとショベルヘッドの違い

ハーレーダビッドソンのエンジンにはさまざまな種類がありますが、ツインカムとショベルヘッドは特に比較されることが多いエンジンです。それぞれのエンジンには特徴があり、カスタムの方向性やメンテナンスの方法にも違いが生まれます。ここでは、両者の主な違いについて解説します。
1. エンジン構造の違い
ショベルヘッド(1966年~1984年)は、その名の通りシリンダーヘッドがショベル(スコップ)に似た形状をしていることから名付けられました。一方で、ツインカム(1999年~2017年)は、カムシャフトが2本あることが特徴で、よりスムーズな動作と耐久性の向上を目的としています。
ショベルヘッドはOHV(オーバーヘッドバルブ)方式を採用し、シンプルな構造で整備がしやすいですが、オイル漏れが発生しやすい傾向があります。一方、ツインカムは現代的な設計が取り入れられており、メンテナンス頻度を抑えられる仕様になっています。
2. 走行性能とフィーリング
ショベルヘッドは鼓動感の強いエンジンで、アイドリング時の振動や独特のエキゾーストノートが魅力です。その一方で、振動が大きいため、長距離ツーリングでは疲れやすいというデメリットがあります。
ツインカムはバランサーが搭載され、振動が抑えられているため、高速巡航時の安定性が高くなっています。エンジンの耐久性も向上しており、定期的なメンテナンスを行えば長く快適に乗ることができます。
3. メンテナンス性と部品供給
ショベルヘッドは生産終了から長い年月が経過しているため、純正部品の供給が少なくなっているのが現状です。ただし、カスタムパーツの市場は充実しており、社外品を活用することで維持は可能です。エンジンの構造がシンプルなため、自分でメンテナンスを行うライダーも多いのが特徴です。
一方、ツインカムは比較的新しいエンジンであるため、純正パーツやアフターマーケットパーツの入手が比較的容易です。ただし、構造が複雑な分、整備や修理をショップに依頼することが多くなり、結果的にメンテナンスコストが高くなることもあります。
4. カスタムの自由度
カスタムの面では、ショベルヘッドはオープンプライマリーやジョッキーシフトなどのクラシックなカスタムと相性が良いです。エンジン自体のレトロな雰囲気が強いため、オールドスクールなカスタムを楽しみたい人に適しています。
ツインカムは、パワーアップを目的としたカスタムや、現代的なスタイルのカスタムに適しているのが特徴です。電子制御系が発展しているため、EFIチューニングやエンジンマッピングの変更など、より細かい調整も可能です。
ショベルヘッドは鼓動感やクラシックな雰囲気を重視するライダー向け、ツインカムは走行性能や耐久性を求めるライダー向けのエンジンといえます。どちらを選ぶかは、求めるスタイルやメンテナンスの手間を考慮して決めることが大切です。
ショベルヘッドのカスタムにはどんな種類がある?

ショベルヘッドは、1966年から1984年にかけて製造されたハーレーダビッドソンのエンジンで、クラシックなデザインと独特の鼓動感が魅力です。そのため、カスタムの自由度が高く、さまざまなスタイルに仕上げることが可能です。ここでは、代表的なショベルヘッドのカスタムスタイルを紹介します。
1. チョッパースタイル
チョッパーは、フレームやパーツを大胆に削ぎ落とし、軽量化とシンプルなデザインを追求したカスタムです。特に、オープンプライマリーやジョッキーシフト、スプリンガーフォークなどのカスタムが人気です。
特徴として、フロントフォークを延長して車高を高くする「ロングフォーク」や、リアサスペンションを取り外してフレームとホイールを直接固定する「ハードテイル」などの改造が多く見られます。無駄を削ぎ落としたシルエットが魅力で、ショベルヘッドの無骨なデザインと相性が良いスタイルです。
2. ボバー(ボバースタイル)
ボバースタイルは、純正のフレームをベースに、不要なパーツを外して軽量化するカスタムです。フロントフォークの長さは標準的なままにしつつ、フェンダーを短くする、もしくは取り外すことでシンプルなシルエットを作り出します。
特徴として、極端な改造を施さず、エンジンやフレームのクラシックな雰囲気を活かすことが多い点が挙げられます。リアサスペンションを残すスタイルが一般的で、乗り心地を確保しながらも、クラシックなハーレーらしさを楽しめるカスタムです。
3. クラブスタイル(クラブカスタム)
近年人気のあるカスタムとして「クラブスタイル」が挙げられます。このスタイルは、走行性能を向上させることを目的としたカスタムで、ハイライザーのハンドル、サスペンションの強化、大型のフェアリング(カウル)などを装備します。
ショベルヘッドでクラブスタイルを取り入れる場合、特にハンドリングや足回りのカスタムが重要になります。フロントフォークの強化や高性能ブレーキの装着、またシートやライザーの変更による快適性向上が一般的なカスタムポイントです。
4. フルカスタム(コンプリートカスタム)
ショベルヘッドのエンジンをベースに、フレームからホイール、電装系まで全てを一新するフルカスタムもあります。この場合、オリジナルのフレームを使わず、ワンオフのリジッドフレームや、異なるモデルのフレームを採用することもあります。
エンジンチューニングにもこだわり、S&SやSUKERのパーツを使用して排気量をアップするケースもあります。さらに、キャブレター交換や点火系の強化、プライマリーのオープン化など、多岐にわたるカスタムが施されます。
5. ストリートカスタム(シンプルスタイル)
ストリートカスタムは、街乗りを意識したシンプルなカスタムで、エンジンや駆動系は純正に近い状態を保ちながら、マフラーやハンドル、シートを交換する程度のライトカスタムが主流です。
特徴として、手軽にカスタムを楽しめることが挙げられます。特に、オープンプライマリーやミッドコントロールステップ、ヴィンテージ風のタンクデザインなどを取り入れることで、個性を出すことができます。
ショベルヘッドのカスタムにはさまざまなスタイルがあり、チョッパーやボバーといったクラシックなカスタムから、クラブスタイルのような現代的なカスタムまで幅広い選択肢があります。どのカスタムを選ぶかは、見た目の好みや、走行性能の向上、快適性のバランスをどう考えるかによって決まります。
ショベルヘッドのカスタムは奥が深く、一つのスタイルにこだわるだけでなく、自分だけのオリジナルカスタムを作り上げる楽しみもあります。自分のライディングスタイルや使用目的に合わせて、最適なカスタムを選ぶことが大切です。

車検時の対応は?注意すべきポイント

オープンプライマリーを装着したハーレーは、車検に通らない可能性があるため、事前に対策を講じることが重要です。特に、日本の車検制度では安全性や排ガス規制に関する基準が定められており、カスタム内容によっては適合しない場合があります。ここでは、オープンプライマリー車両の車検対応と注意点を解説します。
1. オープンプライマリーは基本的に車検非対応
オープンプライマリーは、エンジンの動力伝達部分がむき出しになっているため、安全基準を満たさないと判断されることが一般的です。特に、走行中に衣類や異物が巻き込まれるリスクがあるため、公道での使用が制限されることがあります。
そのため、車検を通す際には、一時的にクローズドプライマリーに戻すか、カバーを装着して安全対策を施すことが求められます。
2. 巻き込み防止カバーの装着
一部のカスタムショップでは、オープンプライマリー用の巻き込み防止カバーを販売しているため、これを装着することで車検に通る可能性があります。ただし、検査官の判断による部分が大きいため、確実に合格するとは限りません。
車検時に必要となる具体的な対策については、事前に車検を依頼するショップや検査場に相談しておくとよいでしょう。
3. 排ガス規制や音量規制にも注意
オープンプライマリーとは直接関係ありませんが、カスタムバイクの車検では排ガス規制やマフラーの音量規制にも注意が必要です。特に、社外マフラーを装着している場合は音量測定が行われるため、基準値(94dB以下)を超えないように調整することが重要です。
また、旧車であるショベルヘッドやエボリューションエンジンの車両は、キャブレターの調整や排ガス試験の対策が必要になる場合もあります。適合するエアクリーナーやキャブセッティングを確認しておくと安心です。
4. 事前に車検対応の相談をする
オープンプライマリー仕様のハーレーを所有している場合、対応実績のあるカスタムショップやバイクショップに車検を依頼するのがベストな選択です。一般的なバイクショップでは対応が難しいことが多いため、旧車やカスタムバイクの車検に詳しい業者を探すことがポイントになります。
また、車検のたびに純正パーツへ戻すのが面倒な場合は、車検対応のクローズドプライマリーを用意しておき、車検時のみ交換する方法もあります。これは多くのオープンプライマリーオーナーが採用している方法で、車検をスムーズに通すための現実的な選択肢となります。
オープンプライマリー仕様のハーレーは、そのままでは車検に通らない可能性が高いため、巻き込み防止カバーの装着や一時的なクローズドプライマリーへの変更などの対策が必要です。また、マフラーの音量や排ガス規制にも注意し、事前に車検対応可能なショップに相談しておくことでスムーズに手続きを進めることができます。
オープンプライマリーの魅力を維持しながら合法的に公道を走るためには、事前の準備と計画的な対応が重要です。車検のたびにトラブルにならないよう、適切な方法で対応しましょう。

オープンプライマリーの巻き込まれ対策

オープンプライマリーは、エンジンの駆動系がむき出しになるため、見た目のインパクトが大きく、カスタムバイクらしさを演出できる人気のカスタムです。しかし、その構造上、衣類や体の一部が巻き込まれるリスクがあるため、安全対策をしっかり行うことが重要です。ここでは、オープンプライマリーの巻き込まれ事故を防ぐための具体的な対策を紹介します。
1. 巻き込み防止カバーを装着する
オープンプライマリーを使用する際、最も基本的な安全対策が巻き込み防止カバー(ベルトガード)を取り付けることです。
多くのオープンプライマリーキットには、フルオープンの状態で使用できるものと、部分的にカバーが付属するものがあります。もしカバーが付属していない場合は、社外品やワンオフで作成できるショップを利用してカバーを取り付けるのがおすすめです。
特に、足元に近い部分をしっかりガードすることで、パンツの裾や靴紐が巻き込まれるリスクを減らすことができます。
2. 服装に気をつける
オープンプライマリーを装着したバイクに乗る際は、巻き込まれやすい服装を避けることが重要です。特に、以下のような服装には注意が必要です。
- ダボついたパンツや裾が長いズボン
- 靴紐が長く、ほどけやすいブーツやスニーカー
- 長いチェーンやベルトが付いたジャケットやパンツ
ライディング用のタイトなパンツや、靴紐が隠れるデザインのブーツを選ぶことで、巻き込みのリスクを減らせます。また、走行前に服装の確認を行い、不要な装飾品がないかチェックすることも大切です。
3. ステップの位置を調整する
オープンプライマリーは、足を置く位置がベルトやプーリーに近くなるため、誤って接触するリスクがある点も注意が必要です。
ステップの位置が純正よりも前にある「フォワードコントロール」の場合は、足がプライマリーから離れるため比較的安全ですが、「ミッドコントロール」や「ジョッキーシフト」の場合は足が近くなり、より慎重なライディングが求められます。
必要に応じて、ステップを若干前方へ移動させるカスタムや、足の位置を調整できるパーツを装着することで、安全性を向上させることが可能です。
4. 走行中の姿勢を意識する
ライディング時に足を無意識にプライマリー側へ近づけてしまうと、接触の危険性が高まります。特に、急ブレーキ時や不安定な路面では、バランスを取るために足の位置が乱れやすくなります。
そのため、足の位置を常に意識し、しっかりとステップに乗せることを習慣づけることが大切です。特に信号待ちの際、足を下ろす位置にも注意し、ベルト部分に近づきすぎないように意識しましょう。
5. 定期的な点検とメンテナンスを行う
オープンプライマリーはベルトやプーリーが露出しているため、異物が入り込みやすく、点検を怠るとトラブルの原因になります。
具体的には、以下のポイントを定期的にチェックするとよいでしょう。
- ベルトの張り具合を確認し緩んでいないかチェックする
- プーリーのボルトが緩んでいないか確認し必要なら増し締めを行う
- ゴミや小石が巻き込まれていないか確認し異物を取り除く
走行中に異物がベルトに噛み込むと、急なロックや破損を引き起こす可能性があるため、定期的な点検を欠かさないことが重要です。
オープンプライマリーの巻き込まれ事故を防ぐためには、巻き込み防止カバーの装着、適切な服装の選択、ステップ位置の調整、ライディング時の姿勢の意識、定期的なメンテナンスが重要です。
安全にオープンプライマリーのカスタムを楽しむためには、見た目のスタイルだけでなく、実用面での安全対策もしっかりと講じることが必要です。適切な対策を行いながら、快適なライディングを楽しみましょう。
ハーレーのオープンプライマリー費用と選び方のポイント
- プライマリーはエンジンの動力をミッションへ伝える重要な駆動系
- ハーレーにはクローズドプライマリーとオープンプライマリーの2種類がある
- オープンプライマリーは見た目のインパクトが強くカスタム向き
- 軽量化やメンテナンスのしやすさがメリット
- BDLはクラッチ操作が軽くプリモは耐久性に優れる
- ベルト幅は1.5インチ・2インチ・3インチがあり用途に応じて選ぶ
- エボ用オープンプライマリーキットは取り付けが比較的容易
- 取り付け工賃の相場は5万円~10万円で加工が必要な場合は高額になる
- ツインカムは振動が少なく耐久性が高くショベルヘッドは鼓動感が魅力
- ショベルヘッドはチョッパーやボバースタイルなどカスタムの自由度が高い
- オープンプライマリーはそのままでは車検に通らないことが多い
- 巻き込み防止カバーの装着で安全性を向上させることが可能
- ステップ位置や服装に注意することで巻き込み事故を防げる
- 定期的なメンテナンスが必要でベルトやプーリーの緩みをチェックする
- カスタムの魅力と安全性のバランスを考えて選ぶことが重要