こんにちは!ハーレーマニアのYUTAです。
テレビや配信の番組で、おぎやはぎの矢作兼さんがハーレーにまたがる姿を見て、あのバイクは何という車種なんだろうと気になった方もいるのではないでしょうか。黒を基調にした低い車体に、どっしりとしたVツイン。古いハーレーが好きな人ほど、思わず画面に目をこらしてしまう1台です。
矢作さんの愛車として公表されているのは、1981年式のハーレーダビッドソンFXBをフルカスタムした車両です。とはいえ、FXBがどんなモデルなのか、何が特別なのかまでは、あまり知られていないかもしれません。私は機械や電装の保全に関わってきた立場から、FXBをハーレーの駆動方式の歴史を変えた、節目のモデルとして見ています。
この記事では、公式の発表や報道で分かっている矢作さんのハーレーの情報をまとめたうえで、FXBスタージスというモデルの特徴を解説します。後半では、同じ年代のハーレーに乗りたいと思ったときの中古車の探し方や、気を付けたい点もお話しします。
- 矢作さんの愛車として公表されているハーレー
- FXBスタージスというモデルの特徴
- ベルトドライブとショベルヘッドの仕組み
- 同じ年代のハーレーを中古で選ぶときの注意
ハーレー乗りの矢作さんの愛車とは
まずは、矢作さんのハーレーがどんな車種なのかを見ていきます。公表されている愛車の情報、番組で披露された姿、そしてベースになったFXBスタージスというモデルの成り立ちや仕組みまで、順番に押さえていきましょう。
愛車は1981年式のFXB
矢作さんの愛車として知られているのは、1981年式のハーレーダビッドソンFXBです。2019年10月に配信が始まったバイク番組『TOKYO BB』の告知では、矢作さんが持つ車両として「Harley Davidson 1981年式 FXBフルカスタム仕様」が紹介されました。
FXBは、アルファベットの組み合わせでモデルを表すハーレーの呼び方の1つです。FXはスーパーグライドから続く車体の系統を、最後のBはベルトドライブを表しています。「スタージス」という愛称で呼ばれるモデルで、ハーレーの旧車の中でも、名前の通った車種といえます。
1981年式ということは、2026年の時点で製造から40年以上がたった車両です。ハーレーの世代でいえば、ショベルヘッドと呼ばれるエンジンの後期にあたります。古いハーレーならではの鼓動や雰囲気を楽しめる年代でありながら、今も多くの車両が走っている年代でもあります。
なお、ここでお伝えしているのは、番組の告知などで公表されている情報です。車両のカスタムの細かな内容や、ほかに持っているバイクについては、この記事では断定しません。
TOKYO BBで披露されたフルカスタム
矢作さんのハーレーが広く知られるきっかけになったのが、バイク番組『TOKYO BB』です。U-NEXTの発表によると、この番組は2019年10月4日からU-NEXTで独占配信されたアメリカンバイクの番組で、矢作さんが出演しています。
発表では、初回のエピソードで矢作さんが念願の江ノ島へのツーリングに出かけ、そこで1981年式FXBのフルカスタム仕様が登場すると紹介されました。番組では、ビンテージのハーレーや、ハーレーを中心としたアメリカンバイクの文化が取り上げられています。
フルカスタムという言葉からも分かるとおり、矢作さんの車両は、工場から出たままの姿ではありません。ハーレーの旧車は、オーナーの好みに合わせて手を入れながら乗り継がれていくものです。同じFXBでも、1台ごとに表情が違うのが旧車の面白さでしょう。
番組の告知の詳しい内容は、U-NEXTが出したプレスリリースで確かめられます。
(出典:株式会社U-NEXT『バイク好きのための新番組『TOKYO BB』をU-NEXT独占配信!』)
2026年の北海道ツーリングでもハーレー
2026年には、テレビ番組の北海道ツーリングの企画でも、矢作さんがハーレーに乗る姿が紹介されました。オリコンニュースの2026年7月12日の記事によると、矢作さんは『発見!タカトシランド』のスペシャルに出演し、稚内空港で合流してハーレーダビッドソンにまたがったと伝えられています。
同じ記事では、矢作さんのバイク歴は35年と紹介されています。番組の公式アカウントは、矢作さんがハーレーのエンジン音を「ワルツのよう」と表現したと投稿していました。3拍子のリズムで刻まれるような鼓動は、昔からハーレーの魅力として語られてきたものです。
ただし、この記事では、北海道で乗ったハーレーの車種までは書かれていません。そのため、この番組で乗っていた車両が1981年式のFXBかどうかは、ここでは決めつけないでおきます。
いずれにしても、長くバイクに乗ってきた人が、今もハーレーで旅を楽しんでいる。その姿に、自分もいつかはと感じた方もいるのではないでしょうか。
FXBスタージスとはどんなモデルか
FXBスタージスは、1980年に登場したハーレーのモデルです。名前の由来は、アメリカのサウスダコタ州スタージスで毎年開かれる、大きなバイクの集まり。アメリカのバイク誌『Cycle World』の1980年9月号の試乗記事では、ローライダーをベルトドライブにしたモデルとして紹介されています。
同じ記事によると、車体は黒を基調にまとめられ、エンジンのケースやシリンダー、ヘッド、タンク、フェンダーまで黒く仕上げられていました。きらびやかなメッキで飾るのではなく、黒で引き締めた外観は、当時のハーレーの中でも独特の雰囲気を持っていたようです。

FX系は、大きなツーリングモデルの車体に、スポーツスターのような細いフロントまわりを組み合わせた系統です。スーパーグライドから始まり、ローライダーやワイドグライドなど、名前の付いたモデルが次々に登場しました。FXBは、その流れの中で生まれたモデルの1つです。
ショベルヘッドの時代の車種や、年式ごとの違いを詳しく知りたい方は、ハーレーのショベルヘッドの年式ごとの特徴を解説した記事もあわせて読んでみてください。FXBがどの位置にいるモデルなのかが、つかみやすくなります。
一次・二次ともベルトで動く仕組み
FXBのいちばんの特徴は、その名前のとおりベルトドライブです。エンジンの力をトランスミッションへ伝える一次駆動と、トランスミッションから後輪へ伝える二次駆動の両方に、歯の付いたゴムのベルトを使っていました。
それまでのハーレーは、どちらにもチェーンを使うのが一般的でした。『Cycle World』の記事では、2本のベルトを使うバイクはFXBだけだと紹介されています。今のハーレーでは、後輪をベルトで回す方式が当たり前になっていますが、その流れの出発点にあたるのがこの年代のモデルです。

機械の目で見ると、ベルトはチェーンにくらべて油をさす手間が少なく、音も静かで、伸びにくいという利点があります。一方で、石をかみ込んだり、傷が入ったりすると切れるおそれがあり、交換するときには周りの部品を外す手間がかかることもあります。手間が減るぶん、点検の目は欠かせない部品といえるでしょう。
なお、40年以上前の車両では、オーナーの好みや整備の都合で、駆動方式がチェーンに変えられていることもあります。FXBだからといって、今もベルトのままとは限りません。
FXBの名前の読み方
FX:スーパーグライドから続く車体の系統
B:ベルトドライブ(Belt)を表す
スタージス:アメリカ・サウスダコタ州のバイクの集まりが開かれる町の名前
80キュービックインチのショベルヘッド
FXBに積まれていたのは、ショベルヘッドと呼ばれる空冷Vツインエンジンです。排気量は80キュービックインチで、ccに直すと約1,310cc。日本では「1340」と呼ばれることが多い排気量で、当時のハーレーでいちばん大きなエンジンでした。
ショベルヘッドという名前は、ロッカーカバーの形がシャベルに似ていることから付いた愛称です。ハーレーの公式サイトでは、1966年から1984年まで作られたエンジンとして紹介されています。1981年式のFXBは、その後半の時代に作られた車両です。
ショベルヘッドの乗り味は、低い回転から湧き上がるような鼓動と、今のハーレーにくらべて大きめの振動が持ち味です。矢作さんが「ワルツのよう」と表現したリズムも、こうした古いVツインのイメージと重なるところがあるかもしれません。

一方で、製造から年数がたっているぶん、オイルのにじみや電装まわりの不調など、今のバイクにはない手間がかかるのも事実です。乗る楽しさと手をかける楽しさ、その両方を味わえる人に向いたエンジンといえます。
ハーレーで矢作さんのように走るには
ここからは、矢作さんのように1980年代はじめのハーレーに乗りたいと思ったときに、知っておきたい話をまとめます。FXBを中古で探すときの注意、ベルトドライブの点検、フルカスタム車の選び方、そして旧車を手放すときの考え方まで見ていきましょう。
1981年式FXBを中古で探すときの注意
FXBは、ハーレーの旧車を扱う専門店の在庫で見かけることがあります。とはいえ、数は多くないので、見つけたときに慌てて決めないことが大切です。検索するときは「FXB」だけでなく、「スタージス」や「ショベル」「1981年式」など、いくつかの言葉を組み合わせて探してみてください。
価格は、車両の状態やエンジンの整備歴、オリジナルの部品がどれだけ残っているかで大きく変わります。同じ年式のFXBでも、1台ごとの価格の理由は違うと考えておきましょう。表示価格だけでなく、納車前にどこまで整備してくれるのかを確かめることが大切です。
現車を見るときは、エンジンをかけてもらい、始動のしやすさや音、オイルのにじみを確かめます。書類に書かれた車台番号と、車体に打たれた番号が合っているかも、旧車では欠かせない確認です。年式やモデルの名前が書類と一致しているかも、あわせて見ておきましょう。

ショベルヘッドの車両に乗るなら、購入の金額だけでなく、修理や部品の交換にかかる費用も見込んでおく必要があります。納車後に気軽に相談できる店で選ぶことが、長く乗り続けるいちばんの近道です。
◆YUTAのワンポイントアドバイス
FXBのように名前の通ったモデルは、「スタージス風」に仕立てた別の車両が並ぶこともあります。モデル名で選ぶなら、書類の型式や車台番号まで見て、本当にFXBなのかを店に確かめてもらうと安心ですよ。
ベルトドライブの点検と交換
FXBのように、ベルトで後輪を回すハーレーに乗るなら、ベルトの点検を習慣にしておきたいところです。見るポイントは、ベルトの歯の欠け、表面のひび割れ、側面のほつれ、そして小石などのかみ込みです。張りの具合も、乗り味や寿命にかかわります。
ベルトは、チェーンのように少しずつ伸びて調整していく部品とは違い、傷みが進むと突然切れることがあります。走行中に切れると、その場で走れなくなってしまいます。特に旧車では、いつ交換したのかが分からないベルトがそのまま付いていることもあるので、購入時に交換の時期を確かめておくと安心です。

また、一次駆動にベルトを使っている車両では、プライマリーカバーの中の状態も気になるところです。交換の作業は車種や仕様によって手間が違うため、ベルトドライブの車両に慣れた店に任せるのが確実です。
ベルトの劣化のサインや交換時期の目安は、ハーレーのドライブベルトの交換時期と点検方法を解説した記事で詳しく紹介しています。FXBに限らず、ベルトドライブのハーレーに乗る方は参考にしてみてください。
フルカスタム車を選ぶときの確認点
矢作さんの車両のように、フルカスタムのハーレーには、工場から出たままの車両にはない魅力があります。自分好みのスタイルに仕上がった1台に出会えれば、それだけで乗る楽しさがぐっと増すでしょう。
ただし、フルカスタム車を選ぶときは、どこにどんな手が入っているのかを1つずつ確かめる必要があります。フレームやフロントフォーク、ブレーキ、ハンドルまわりの変更は、乗り味や安全性に直接かかわります。灯火類やマフラーの交換は、車検に通るかどうかにも影響します。
カスタムの内容を記録した書類や、交換した部品のメモが残っているかも大事なポイントです。どの部品がいつ付けられたのかが分かれば、今後の整備の段取りも立てやすくなります。外したオリジナルの部品が残っているかどうかも、聞いておくとよいでしょう。
カスタム車ならではの確認点は、カスタム中古ハーレーの選び方を解説した記事でもまとめています。見た目に惹かれたときこそ、中身を確かめる時間を取ってくださいね。
旧車のハーレーを手放すときの考え方
FXBのような旧車のハーレーを手放すときは、一般的なバイクと同じ感覚で査定を受けると、評価がばらつくことがあります。年式や走行距離よりも、モデルの希少さ、オリジナルの部品の残り具合、整備の記録が価格を大きく左右するからです。
旧車の価値を正しく見てもらうには、ハーレーの旧車の買取に慣れた業者に査定を依頼するのが基本です。カスタムの内容や、交換した部品の記録をまとめておくと、車両の価値を伝えやすくなります。
1社だけで決めず、複数の買取店に査定を依頼して比べることも大切です。旧車は店によって得意な年代やスタイルが違うので、同じ車両でも提示される金額に差が出やすいもの。比べることで、自分の車両の評価が見えてきます。
エンジンがかからない車両や、遠方で持ち込みが難しい場合は、出張査定に対応した買取サービスを使う方法もあります。思い入れのある1台だからこそ、納得できる形で次のオーナーへ引き継ぎたいですね。
◆YUTAのワンポイントアドバイス
旧車の整備記録は、手書きのメモでも立派な資料になります。いつ、どこで、何を直したか。ノート1冊にまとめておくだけで、査定のときにも、次に整備を頼むときにも話が早くなりますよ。
ハーレーと矢作さんに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 矢作さんのハーレーの車種は何ですか?
A. 2019年のバイク番組『TOKYO BB』の告知では、矢作さんが持つ車両として、1981年式のハーレーダビッドソンFXBのフルカスタム仕様が紹介されています。FXBは「スタージス」という愛称で知られるモデルです。
Q2. FXBスタージスの排気量はどれくらいですか?
A. 80キュービックインチのショベルヘッドを積んでいます。ccに直すと約1,310ccで、日本では「1340」と呼ばれることが多い排気量です。乗るには大型自動二輪免許が必要になります。
Q3. FXBの「B」にはどんな意味がありますか?
A. ベルトドライブを表しています。FXBは、エンジンからトランスミッションへの一次駆動と、後輪への二次駆動の両方に、歯の付いたゴムのベルトを使っていたモデルです。ただし、今残っている車両の中には、整備やカスタムで駆動方式が変えられているものもあります。
Q4. 矢作さんと同じ年代のハーレーは今でも買えますか?
A. ハーレーの旧車を扱う専門店などで、ショベルヘッドの時代の車両が販売されていることがあります。FXBそのものは数が多くないので、見つけたら書類の型式や車台番号、整備の内容まで確かめてから検討するのがおすすめです。
ハーレーと矢作さんの愛車のまとめ
矢作さんの愛車として公表されているのは、1981年式のハーレーダビッドソンFXBをフルカスタムした車両です。FXBは、ベルトドライブとショベルヘッドを組み合わせた、ハーレーの歴史の節目にあたるモデルでした。
- 愛車は1981年式FXBのフルカスタムで、2019年の番組『TOKYO BB』で紹介された
- FXBは「スタージス」と呼ばれ、一次・二次ともにベルトで動くモデル
- エンジンは80キュービックインチのショベルヘッドで、鼓動の強さが持ち味
- 同じ年代を選ぶなら、整備の記録とベルト・カスタムの内容を確かめる
長くバイクに乗ってきた人が選び、今も楽しんでいるハーレーには、それだけの理由があります。FXBやショベルヘッドに惹かれたら、まずは実車を見て、その鼓動を確かめるところから始めてみてください。

