こんにちは!ハーレーマニアのYUTAです。
「ハーレーって、2000ccのモデルもあるの?」。最近のハーレーの排気量を見ていると、そう思うのも無理はありません。気がつけば、ふつうのクルーザーでも1,900cc台。上級モデルになると、2000ccまであとわずかというところまで来ています。
では、2000ccを超えるハーレーは本当にあるのか。新車で買えるモデルの最大の排気量はいくつなのか。そして、カスタムで2000cc超えにするにはどうすればよいのか。この記事では、ハーレーの2000cc級のモデルとエンジン、そして排気量を上げる前に知っておきたい費用や手続き、熱や保証の注意点まで、機械と保全の目線でお話しします。
- 新車で買えるハーレーの最大の排気量
- CVOに積まれる2000cc級の121エンジン
- 2000cc超えのハーレーを作る方法
- 排気量を上げる前の手続きと注意点
ハーレーの2000cc級のモデルとエンジン
まずは、ハーレーの2000cc級のモデルとエンジンについて見ていきます。新車で買えるハーレーの最大の排気量、上級モデルのCVOに積まれる121エンジン、その値段、標準モデルとの違い、そして2000ccを超えるエンジンの正体まで順番に解説します。
新車の最大は1,977cc
結論から言うと、2026年の日本向けモデルで新車で買えるハーレーの最大の排気量は1,977ccです。ぴったり2000ccのモデルや、2000ccを超えるモデルは、カタログの中にはありません。
この1,977ccのエンジンを積んでいるのは、CVOと呼ばれる上級モデルです。CVOは、ハーレーが特別な塗装や装備をおごって作る限定的なシリーズで、エンジンも通常のモデルより大きな「121」というものが使われています。
1,977ccといえば、2000ccまであと23cc。ほぼ2000ccと言ってしまってもよい排気量です。「ハーレー 2000cc」と調べている方が思い描いているのは、多くの場合、このCVOの121エンジンか、カスタムで2000ccを超えたエンジンのどちらかでしょう。
それにしても、2本のシリンダーで2,000cc近い排気量。1本あたり約990ccですから、シリンダー1本で国産の大型バイク1台分ほどの大きさがあることになります。機械好きとしては、この数字を見るだけでワクワクしてしまいますね。
CVOに積まれる121エンジン
CVOのモデルに積まれているのは、ミルウォーキーエイト121というエンジンです。「121」は排気量を立方インチで表した数字で、ccに直すと1,977ccになります。
121エンジンには、いくつかの仕様があります。たとえばCVOストリートグライドに積まれる「VVT 121」は、バルブを開け閉めするタイミングを走り方に合わせて変えられる仕組みを持ち、最高出力115HP、最大トルク183Nmを発生します。一方、CVOロードグライドSTに積まれる「121ハイアウトプット」は、最高出力126HP、最大トルク193Nmと、さらに力強い仕様です(出典:Harley-Davidson Japan公式サイト『CVO Street Glide』ほか各モデルの仕様)。
193Nmというトルクは、乗用車の2Lクラスのエンジンにも迫る数字です。それを、たった2本のシリンダーが、それも3,750回転という低い回転で生み出しているわけですから、アクセルを開けたときの押し出し感は想像以上でしょう。

CVOそのものの特徴や、通常モデルとの違いについては、ハーレーCVOとは?通常モデルとの違いと選び方で詳しく解説しています。
CVOの2000cc級モデルの値段
2000cc級のCVOは、ハーレーの中でもいちばん値段の高いグループです。2026年モデルのメーカー希望小売価格は、CVOロードグライドSTが5,810,200円から、CVOストリートグライドが6,465,800円からとなっています。
| モデル | エンジン | 排気量 | 最高出力 | 最大トルク | メーカー希望小売価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| CVOロードグライドST | 121ハイアウトプット | 1,977cc | 126HP | 193Nm | 5,810,200円~ |
| CVOストリートグライド | VVT 121 | 1,977cc | 115HP | 183Nm | 6,465,800円~ |
| ストリートグライド(参考) | 117 | 1,923cc | 107HP | 175Nm | 3,688,300円~ |
通常のストリートグライドと比べると、CVOは200万円以上高くなります。その差には、エンジンの排気量だけでなく、特別な塗装、豪華なオーディオや電子装備、専用の外装などが含まれています。2000cc級の排気量は、CVOという特別なパッケージの一部と考えると分かりやすいでしょう。
なお、価格はカラーや仕様によって変わり、取材時点のものです。購入を考えている方は、販売店で最新の価格を確かめてください。
標準モデルは1,923ccの117
CVO以外のクルーザーやツーリングモデルの多くは、ミルウォーキーエイト117、つまり1,923ccのエンジンを積んでいます。2000cc級のCVOとの差は54ccです。
数字だけを見ると、117と121の差はわずかに感じるかもしれません。ただ、実際のエンジンは、排気量だけでなく、吸気や排気、バルブの動かし方の作り込みでも力の出方が変わります。CVOの121は、そうした部分まで手を入れた、いわば「仕立てのよい」エンジンです。117を積む車種や値段は、ハーレーの1900ccはどの車種?117エンジンの特徴と値段で紹介しています。
とはいえ、1,923ccの117でも、ふつうに走るぶんには力が余るほどのエンジンです。「どうしても2000cc級でなければ」という強い理由がなければ、117のモデルでも十分に満足できるはず。ハーレーの排気量の全体像は、ハーレーは何cc?車種別の排気量と選び方も参考にしてください。
2000cc超えはパーツで実現する
「でも、2000ccを超えるハーレーを見たことがある」という方もいるでしょう。それは、エンジンのパーツを交換して排気量を上げたカスタムのハーレーです。
代表的なのが、ハーレーの純正の高性能パーツのブランドであるスクリーミンイーグルが用意した「ミルウォーキーエイト131」です。131立方インチ、つまり2,147ccという、ハーレーが公道向けに用意したエンジンとしては過去最大の排気量を持ち、ミルウォーキーエイトを積んだツーリングモデルに載せ替えられるように作られました。シリンダーの内径を広げ、ピストンやカムシャフト、シリンダーヘッドまで作り直すことで、大きな排気量を実現しています。
このほか、部品メーカーからも、ミルウォーキーエイトの排気量を2000cc超えに広げるキットが出ています。カスタムショップの中には、135立方インチ級までエンジンを広げた車両を手がけるところもあり、雑誌などで「2000cc超えのモンスターバガー」として紹介されることもあります。新車のカタログにはない、まさにカスタムの世界の話ですね。

ハーレーを2000cc超えにする前の注意点
ここからは、ハーレーの排気量を上げて2000cc超えにしたいと考えている方に向けて、事前に知っておきたい注意点をお話しします。費用の考え方、車検証の手続き、熱と燃料の調整、保証や手放すときへの影響、そして2000cc級が向いている人まで順番に見ていきましょう。
排気量アップの費用の考え方
排気量を上げるカスタムは、部品代だけで済む話ではありません。エンジンを下ろしたり、シリンダーやヘッドを外したりする作業が必要になるため、部品代と工賃の両方がかかります。
さらに、排気量を上げると、それに合わせて吸気や排気、燃料の量の調整も必要になります。エアクリーナーやマフラー、燃料の噴き方を調整する機器まで含めると、費用はさらにふくらむでしょう。クラッチが大きなトルクに耐えられるかどうか、という点も見ておきたいところです。

費用はエンジンの状態や選ぶ部品、依頼するショップによって大きく変わります。必ず複数のショップで見積もりを取り、どこまでの作業が含まれているのかを確かめてください。エンジンを開ける作業の費用感は、ハーレーのオーバーホール費用の相場も参考になるはずです。
車検証の記載の変更が必要
排気量を上げたときに、忘れてはいけないのが手続きです。車検証には総排気量が書かれているため、排気量が変わったら、その記載を変える手続きが必要になります。
具体的には、運輸支局などで構造等変更検査という検査を受け、新しい排気量で登録し直すのが一般的です。手続きをしないまま排気量の違うエンジンで走ると、車検証の内容と実際の車両が違う状態になってしまいます。
なお、250ccを超える二輪車の軽自動車税は排気量にかかわらず年6,000円なので、2000cc超えにしても税金が上がるわけではありません。ただし、排気量を上げたエンジンが騒音や排出ガスの基準に合っているかは、別に確かめる必要があります。「パワーを上げる」と「公道を走れる状態に保つ」はセットで考えるようにしましょう。

熱と燃料の調整への対策
機械の目線で一番気にしてほしいのが、熱の問題です。排気量を上げると、1回の爆発で燃やす燃料が増え、エンジンが出す熱も増えます。空冷のハーレーにとって、熱は大敵です。
とくに夏の渋滞では、エンジンの熱が足元に伝わって乗っている人がつらくなるだけでなく、エンジンオイルの温度が上がりすぎることもあります。排気量を上げるなら、オイルクーラーの容量や、オイルの選び方、交換の間隔まで見直しておくと安心です。

もうひとつ見落としやすいのが、エンジン以外の部分への負担です。トルクが大きくなれば、そのぶん後輪を回すベルトやクラッチ、タイヤにかかる力も増えます。ブレーキも、速度の伸びに見合った効きがあるかを見直しておきたいところ。エンジンだけを強くして、ほかの部分が追いつかない状態は、機械としてはいちばん避けたいバランスです。
また、燃料の量の調整が合っていないと、エンジンの調子が悪くなったり、熱がこもりやすくなったりします。排気量アップのカスタムは、パーツを組んで終わりではなく、燃料の調整まで含めて一つの作業と考えてください。
◆YUTAのワンポイントアドバイス
排気量を上げたエンジンは、最初の数百キロの慣らしと、その後の点検がとても大切です。新しいピストンやシリンダーがなじむまでは回転を上げすぎず、オイルの汚れ具合やエンジンのにじみもこまめに見てあげてください。速さを手に入れたぶん、気をつかう場面も増える。それも大排気量のカスタムを楽しむ一部なんですよ。
保証と手放すときへの影響
新しいハーレーの排気量を上げる場合は、メーカーの保証への影響も確かめておきましょう。純正のスクリーミンイーグルのパーツには保証が付くものもありますが、どこまでが保証の対象になるかは、パーツや取り付けの方法によって変わります。作業を頼む販売店で、事前に確かめておくのが安心です。
また、エンジンに手を入れたハーレーは、手放すときの評価が分かれやすくなります。カスタムの価値を分かってくれる買い手なら高く評価してくれる一方、ノーマルに近い車両を好む買い手には敬遠されることもあるからです。
そのため、作業の記録や交換したパーツの明細、外した純正部品は大切に保管しておきましょう。手放すときは、カスタム車の査定に慣れたバイク買取業者に相談すると、手をかけた部分を評価してもらいやすくなりますよ。
2000cc級が向いている人
ここまで読んで、「自分に2000cc級は必要なのかな」と感じた方もいるかもしれません。私の考えでは、2000cc級のハーレーが向いているのは、大きな車体で長い距離を走る人です。
400kg近い大型ツーリングモデルに、二人乗りで荷物を積み、高速道路や山道を何百キロも走る。そんな使い方なら、2000cc級のトルクの余裕は、追い越しや坂道で大きな安心感につながります。逆に、街乗りが中心だったり、軽いクルーザーに乗っていたりするなら、1,923ccの117でも力は十分すぎるほどでしょう。
また、2000cc級のCVOを新車で選ぶか、手持ちのハーレーの排気量を上げるかでも、向き不向きは変わります。最初から完成された仕様で、保証も含めて安心して乗りたいならCVO。今の愛車に愛着があって、自分好みの走りに仕立てていきたいなら排気量アップのカスタム、という考え方もできるでしょう。
数字の大きさに惹かれる気持ちは、私にもよく分かります。でも、大切なのは、あなたの走り方にその排気量が合っているかどうか。あなたなら、2000cc級のトルクをどんな道で味わってみたいですか。
ハーレーの2000ccに関するよくある質問(FAQ)
Q1. ハーレーに2000ccのモデルはありますか?
A. 2026年の日本向けモデルに、ちょうど2000ccや2000ccを超える新車はありません。最大の排気量は、CVOのモデルに積まれる121エンジンの1,977ccです。2000ccを超えるハーレーは、パーツを交換して排気量を上げたカスタム車になります。
Q2. ハーレーで一番排気量が大きいエンジンは何ccですか?
A. 新車に積まれるエンジンでは、CVOの121エンジンの1,977ccが最大です。純正の高性能パーツのブランドであるスクリーミンイーグルからは、2,147ccのミルウォーキーエイト131が用意されており、これはハーレーが公道向けに用意したエンジンとして過去最大の排気量です。
Q3. 排気量を2000cc超えにすると税金は上がりますか?
A. 250ccを超える二輪車の軽自動車税は、排気量にかかわらず年6,000円なので、2000cc超えにしても上がりません。ただし、排気量が変わったら車検証の記載を変える手続きが必要になります。
Q4. 2000cc超えのハーレーの中古車はありますか?
A. 排気量を上げたカスタム車が、中古車として売られていることがあります。購入するときは、車検証の排気量の記載が実際のエンジンと合っているか、作業の記録が残っているか、燃料の調整や熱対策がされているかを、販売店に確かめてください。
ハーレーの2000cc級エンジンのまとめ
ハーレーの2000ccは、新車の世界とカスタムの世界で、意味が少し違ってきます。最後に、この記事のポイントを振り返っておきましょう。
- 新車で買えるハーレーの最大の排気量はCVOの1,977cc
- 121は排気量を立方インチで表した数字
- CVOの2000cc級モデルは580万円台から
- 標準モデルの多くは1,923ccの117エンジン
- 2000cc超えは、スクリーミンイーグルの131などのパーツで実現する
- 排気量を上げたら車検証の記載の変更が必要
- 熱と燃料の調整、保証への影響まで考えてから決める
2000ccという数字には、やはり特別な響きがあります。でも、そのトルクを本当に楽しめるのは、走り方と整備の準備がそろったとき。あなたのハーレーライフに合った排気量を選んで、大排気量のVツインの鼓動を存分に味わってくださいね。

